灰色城綺譚 紹介その2

灰色城綺譚紹介記事 その1 その2(当記事) その3 暫定サポートページ

物語を創るシステム

 前回の記事でも触れたように、『灰色城綺譚』は特にストーリーテリング、物語を創り出すことに特化したTRPGとしてデザインされています。今回の記事では、物語を創る、すなわちプレイヤーに語らせるためにどのようなアプローチをシステムに組み込んだのかについてご紹介します(一部ではありますが)。

3人=三角関係

 『灰色城綺譚』では、PC(プレイヤー・キャラクター)の人数が3人で固定されています。プレイヤーは2~3人必要となり、2人の場合はGMが3人目のプレイヤーを兼任する形になります。
 3人であるということは、三角関係であることを示唆しています。これはなにも恋愛がらみの関係とも限りませんが、あちらを立てればこちらが立たず、一方の側につくことでもう一方を敵に回すことになるというようなジレンマを内包するということです。
 PCには後述する「囁き」というハンドアウトが渡され、自らの立場を決めるようにと促されます。この選択が(あるいは一時的に保留するといった優柔不断ささえもが)3人の間の関係性のバランスをダイレクトに揺り動かし、緊張感のあるドラマを生み出していくのです。

囁き

 PCに渡されるハンドアウトは「囁き」と呼ばれます。「囁き」は他のプレイヤーには見せずに受け取る、いわゆる秘匿系ハンドアウトです。次のような性質を持ちます。

囁きは呪いである
 【囁き】は灰色城がPCたちの心に吹き込む狂気や悪意の呪いである。PCは【囁き】によって特定の感情や思考に囚われることになるが、それがPCの本心であるかどうかはプレイヤーが決定することができる。物語の展開によって、途中で【囁き】への向き合い方が変わることもあるかもしれない。

囁きは主観である
 【囁き】の内容は真実や事実であるとは限らない。それはPCの主観的な考えにすぎず、もしかすると思い込みにすぎないのかもしれないのである。したがって、セッション中に事件のゆるぎない「真相」が明かされることもない。あくまで、主観的に「PCにとってはこうであった」ということが語られることになるのだ。

惑い
 【囁き】の文中の「惑い:~~」は、クライマックスまでにPCが決断すべき問いかけである。この問いかけに答えることがプレイヤーに課された課題なのだ。

怪物化
 【囁き】の文中の「怪物化:~~」は、PCが【囁き】に身も心も委ねた場合になにを行なおうとするのかを示している(「怪物化」は全員にあるわけではない)。主に、他のPCの目的を阻んだり、犠牲にしたりといった内容である。

 「囁き」はセッション中にPC自らが公開することができます。内容は「私は~」の形で記述されているので、読み上げるだけでもちょっとロールプレイになることでしょう。

運命儀

 「運命儀」はそれぞれのPCに配られるシートです。白と黒の印象マーカーがこのシートの上を動き回り、PCの心理状態を視覚化します。運命儀はマーカーの位置によって白の領域と黒の領域に分けられ、白の領域が広ければ善意や共感、安心の感情が強く、黒の領域が広ければ心は悪意や拒絶、不安の感情に苛まれていることを表しているのです。
 また、この「運命儀」が本作におけるランダマイザの役目を果たします。文字盤の中心にペンを立てて倒れた先が白黒どちらの領域だったかによって、シーンの雰囲気(ムード)が決まったり、判定が必要な時に行動の成否が決まったりします。簡単ですね。Ⅰ~Ⅻの文字盤があるので、12面ダイスで代用しても構いません。

あなたの物語

 『灰色城綺譚』はストーリーテリングに特化したTRPGである――と書きましたが、本作における物語は、PCという登場人物がそれぞれのキャラクターをまっとうすることで創り出されていくものです。本質はキャラクターテリングのゲームなのです。
 ロールプレイング重視と言われると身構えてしまう方もいるかもしれませんが、それでも大丈夫なようにロールプレイのやり方についても紙幅を割いてあります。読めばたちまち達人とはいかなくとも、ある程度の知見は得られるはずです。ぜひチャレンジしてみてください。

 頒布はC96の1日目、8月9日(金)です。次回の記事では頒布情報を諸々まとめてお伝えしたいと思います。また近いうちに……と言っているうちにすぐ直前になりそうですね。

 恒例となりつつありますが、8月3日の首塚プロダクション様主催の「C96TRPG宣伝生放送」にらっこやくが出演します。「かりかりうめ」の出番は21時30分頃からとなっていますので、よろしくお願いします。

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